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FP小田誠さんの10年後の家系を把握していますか?

第6回 医療費控除について

今年も、確定申告の時期がやってきました。「お医者さんで支払った一定額以上の治療費は所得控除できる」という事をご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回のテーマで改めて確認していきたいともいます。医療費控除は、勤務先が行う年末調整では受けられませんので、会社員などの給与所得者も確定申告が必要となります。

昨年1~12月に支払った医療費が対象

昨年1年間に入院や歯科治療などで多額の医療費を支払った人は「医療費控除」 として所得控除を受けられる場合があります。

※医療費控除の対象になるのは、治療を目的に支払ったお金です。
健康診断など健康の維持管理のための費用や美容整形の費用などは対象となりません。なお、公的介護保険のサービスを利用した場合の自己負担分のなかにも「医療費控除」の対象となるものがあります。在宅サービスでいえば、訪問看護、訪問リハビリテーションなどが対象です。

10万円を超えた分の医療費を所得から控除

医療費控除として所得から差し引けるのは、支払った医療費のうち10万円を超 えた部分です。つまり、支払った医療費が15万円なら、5万円を所得から差し 引くことができます。なお、昨年の所得金額が200万円未満の人は、「所得金額×5%」を超えた部分の医療費を所得から控除することができます。例えば所得が180万円の人は、 9万円を超えた分の医療費を控除することができます。

※所得とは、収入から必要経費を引いた金額です。給与所得者の場合は、源泉 徴収票の「給与所得控除後の金額」欄に記載の金額です。
※医療費控除として所得から差し引ける金額は200万円が限度となります。

どのくらい税金が軽減される?

所得控除額=減税額ではありません。
税率をかける前の所得金額が減ることにより、所得税と住民税が軽減されます。
所得税の税率は累進税率で5~40%(平成26年分の所得に対する税率)、住民税は一律10%です。
例えば、医療費の合計額が20万円で、10万円の医療費控除を受けるとして、所得税の税率が
5%の人は、所得税で 5,000円、住民税で10,000円、10%の人は、所得税で10,000円、住民税で10,000円、20%の人は、所得税で20,000円、住民税で10,000円 などが軽減額の目安となります(復興特別所得税は考慮していません)。

※所得控除を受けることにより、税率が変わる場合などがあります。(ここがポイントですね)

家族分をまとめて控除できる

控除を受けられる医療費は、自分の分だけではなく、生計を一にする配偶者・その他の親族のために支払ったものも対象になります。例えば、夫婦共働きで夫の医療費が9万円、妻が6万円の場合、夫婦合わせて15万円になり、どちらか一方の所得から5万円を控除できます。

入院給付金などで補てんされた金額は医療費から差し引く

生命保険からの入院給付金・手術給付金を受け取った場合や、公的医療・介護保険制度から「高額療養費」「高額介護サービス費」などで払い戻しを受けた場合は、その金額を医療費から差し引いて計算します。つまり実質負担した分の医療費等が、医療費控除の対象になります。

※入院給付金などを差し引く場合は、その給付の原因になった傷病などの医療費からです。引ききれない場合は他の医療費から差し引く必要はありません。

~まとめ~

今年の確定申告は3月16日までですが、給与所得者の還付申告は確定申告期間に関わらずできます。過去5年分遡って申告することもできます。例えば、平成22年分の所得は平成27年12月31日まで受付けています。一度、自分自身の税の流れ(掛かり方)を確認されてみてはいかがでしょうか。

小田ファイナンシャル・コンサルティング 
代表 小田 誠

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