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第7回 【新型コロナウイルスと海外旅行保険】

中国・湖北省の省都、武漢市が発生源とされる新型コロナウイルスですが、WHOの発表では、3月5日時点では世界77の国に広がり、確認された感染者数は中国の8万人を筆頭に9万3千人に登ります。

日本を含め感染が確認されている国、それらの国に直近で滞在歴がある者の入国・入域を禁止する国・地域や、入国後に行動制限がとられる国・地域も多数あり、ビジネスでの海外渡航や、海外旅行に大きな影響がでています。

新型肺炎(コロナウイルス)に渡航先で罹患したケースや、予定していた渡航を中止せざるを得ない場合などのリスクに対して、海外旅行保険や旅行キャンセル保険ではどこまで対応できるのでしょう。コロナウイルスに対しての対応を公表している保険会社ではどのようになっているか、確認してみましょう。


【目次】
1. 旅行のキャンセルについて
 -外務省が渡航中止勧告を発出したケース
 -渡航先国が入国規制等を発出したケース
 -自己判断等で旅行を中止したケース
 -自分がコロナウイルスにかかった場合
 -親族がコロナウイルスにかかった場合
. 新型コロナウイルス感染症の治療について
 -治療費用について
 -死亡した場合
3. 情報収集を怠らずに!

これから海外旅行保険に入る方「旅行のキャンセル」について

これから海外旅行保険に入る方が一番気になるのは、「コロナウイルス関連で旅行をキャンセルせざるを得ない場合、そのキャンセル料がカバーされるか否か」かと思います。海外旅行保険のインターネット専用プランでは、「旅行キャンセル特約」をオプションとして付帯できる商品があります。

◆日本の外務省が感染症危険情報において「危険レベル3・渡航中止勧告」を発出した場合

海外旅行保険に加入した翌日以降に外務省が「危険レベル3・渡航中止勧告」以上を発出した場合や、を発した場合は補償の対象となるようです。しかし、現在すでに「レベル3・渡航中止勧告」が発出されている国への渡航の場合は、旅行キャンセルの対象にはなりません。

◆渡航先国が出入国規制等を発出した場合

旅行保険に加入した時点で出入国規制や新型コロナウイルス感染症による隔離等が発出されている場合は補償の対象になりませんが、保険加入後、新たに入国禁止や感染症による隔離が発出された場合には補償の対象となります。

◆自己判断・会社判断で旅行を中止した場合

渡航先の国での出入国に規制がない、外務省からも渡航先について渡航中止勧告が出ていない状況で、自己判断・会社判断での渡航自粛は補償の対象にはならないので注意しましょう。

◆自分がコロナウイルスにかかって旅行をキャンセルした場合

インターネット専用プランに「旅行キャンセル特約」があり、コロナウイルスへの対応を公表している会社では対象となるようです。責任期間開始後に3日以上の入院、または感染により検疫法に基づいて医療施設などに隔離された場合が条件のようです。

◆親族がコロナウイルスにかかって旅行をキャンセルした場合

インターネット専用プランに「旅行キャンセル特約」があり、コロナウイルスへの対応を公表している会社で、親族がコロナウイルスにかかったケースについての記述は3月5日時点では確認できませんでした。お申込みの際には保険会社に問い合わせするのがよいでしょう。

新型コロナウイルスにかかった場合

◆治療費用について

海外旅行中に新型コロナウイルスにかかり病院で治療した場合、海外旅行保険に含まれる「治療費用」「治療・救援費用」の項目でカバーできます。

多くの保険会社では「責任期間中に発病」「責任期間中に感染して、責任期間終了後72時間以内に治療を開始した場合」にカバーされるとしています。

「責任期間」とは、海外旅行の目的を持って自宅を出発してから自宅に戻るまでの期間で、これが保険の補償が有効になっている期間です。

新型コロナウイルス感染症の場合、感染してから発症までの潜伏期間がありますので、日本帰国後に発症するケースもあります。その場合でも帰宅してからおよそ3日以内に病院へ行き治療を開始した場合は海外旅行保険の対象となります。

◆死亡した場合

考えたくはない事例ですが、念のため触れておきましょう。海外旅行中に新型コロナウイルスにかかり亡くなった場合も、多くの保険会社では海外旅行保険の「疾病死亡」の項目でカバーされます。 「海外旅行中(以下、「責任期間」と同義)に死亡した時」や、「海外旅行中に感染し帰国後72時間以内に治療を開始し、かつ帰国後30日以内に死亡した時」が該当するようです。

安全のため、情報収集は怠らずに!

2020年3月5日現在の情報でこの記事を執筆しました。新型コロナウイルスは、今後さらなら流行、拡がることが予想されるます。流行の状況等を踏まえ、新たに保険会社から新型コロナウイルスに対しての対応が発表されることもあるかと思います。海外旅行保険にお申込みの際は、保険会社や外務省が発表する最新の情報を確認し、リスクの管理、安全の確保を念頭に置いていただくことをおすすめいたします。

ご注意:この記事は2020年3月5日現在の情報をもとに執筆しました。最新の情報や個別・具体的な取り扱いについての詳細は各保険会社のご確認ください

小田ファイナンシャル・コンサルティング 
代表 小田 誠

【参照ページ】
外務省海外安全ホームページ:新型コロナウイルス(各国・地域における新型コロナウイルス感染症に係る入国制限措置と入国後の行動制限措置に関する状況)
WHO:Coronavirus disease (COVID-19) outbreak

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